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サリバン公爵の秘密 Ⅱ

مؤلف: エチカ
last update تاريخ النشر: 2026-04-18 07:45:16

 オルタナはもう一度夜着の袖の裾で顔を拭ってから、部屋の扉を開ける。

「まだ起きておいででしたか?」

 少し憔悴したようなオブライアンがそう言って、扉の前に立っていた。

「う、うん……。公爵様は? 大丈夫ですか?」

「今はお部屋でお休みになっております」

「そう……僕が公爵様の癪に障るような事してしまったから、怒らせてしまって……すみません」

「いいえ、いいえ、決してそのような事は」

「でも……あんなに怒っ……て」

「……オルタナ様、寝物語代わりに、少しこの老骨の話を聞いて下さいますか?」

 そう言ったオブライアンは眉をハの字に下げて困ったように笑った。

 部屋へと招き入れると「もう遅いので、ベッドへお入りください」と寝台の布団を捲って促す。

「眠れそうにはないのですが……」

「それでも、体が冷えてはいけませんから」

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   金鈴の鴉

    「到着したか、オブライアン」「……到着早々、クローゼットの中に主を見付けたのは初めてでございます」「俺もクローゼットの中で愛を囁いたのは初めてだ」「ちょっ……」「いい加減に出て来て頂かないと、屋敷の者達が困り果てております」「すまん。我が番殿がここが良いと甘えるもんでな」「んなっ……⁉」「オルタナ様」「はいっ、ごめんなさいっ!」「爺に謝る必要はございません。ですが、湯浴みしてお食事を摂って頂かねば心配で倒れるやもしれません」「い、今出ます……」 長い事狭い所で膝を折って座っていたから、若干痺れて上手く立ち上がれずに這うようにして出る。 ずりずりと這い出ている所を、公爵に腰を掴まれひょいっと抱き上げられ、立たされた。「あ、ありがとヴィー様。あの、オブライアンさんは何で本邸に……?」「旦那様の招集に応じて、今し方到着致しました」「オーリィ、オブライアンには大聖堂への潜入班に入って貰う」「潜入班……」「伯母上と義姉上とお前が正面から入る代わりに、オブライアンとアラベル、そしてスーランも潜入させる」「スーランも?」「まだ至らぬ所はございますが、ある程度は使えるかと」 オブライアンはそう言ってにこやかに笑って見せた。 いつもの笑顔が、少し怖く見える。 公爵はスーランをオブライアンに任せて躾け直すと言っていたけれど、それがどういうことなのかオルタナはまだ分かっていない。「スーラン、元気ですか?」「元気でございます。元気すぎて困っております」「ははっ、そっか。なら、良かった」「しかし、オルタナ様の専属護衛になるには、まだまだでございます」「え?」「オブライアン、種明かしが早過ぎるぞ。せっかくサプライズにしようと思っていたのに」「おや、それは失礼致しました。

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   公爵と密偵の攻防

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  • 魔女ドーラの孫(仮)   オルタナの正体

    「夜葡萄の研究が関係していると?」 ウケイの視線に、公爵は頷く。「義父は夫人が亡くなる少し前から、夜葡萄の研究をしていた。その原初のΩと呼ばれる者が夜葡萄と関係しているなら、前公爵に罪を着せる為の工作だったとも考えられる。ウケイ殿なら思い当たる節があるのでは?」「……そうですね。夜葡萄とは繊細かつ栽培に当たっての条件が非常に難しい植物です。まず環境が極寒でなければなりませんし、夜の国の様に陽の差さない森の中でなければ育ちません。そしてもう一つ、絶対に欠かせないのが原初のΩの血です」

  • 魔女ドーラの孫(仮)   魔女ドーラの正体

    「俺達はラカンに連れ去られたものだとばかり思っていたから、ずっとそっちの情報を集めていたが、何一つ有力な情報は得られなかった。だから見つけるまでに相当な時間がかかってしまった」 それはようやくモリガンへと辿り着く頃の話だった、とアラベルは言う。 母と祖母の目的はモリガンへ行く事だったから、祖母はモリガンへ向かうと譲らなかったそうだ。 だから危険を回避する為、アラベルは得意だった変装術を使って身を偽る事を提案した。  “顔のない猫”とはつまり、変装によって潜入する彼の本来の顔を誰も知らないと言う事に由来する。

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