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サリバン公爵の秘密 Ⅱ

مؤلف: エチカ
last update تاريخ النشر: 2026-04-18 07:45:16

 オルタナはもう一度夜着の袖の裾で顔を拭ってから、部屋の扉を開ける。

「まだ起きておいででしたか?」

 少し憔悴したようなオブライアンがそう言って、扉の前に立っていた。

「う、うん……。公爵様は? 大丈夫ですか?」

「今はお部屋でお休みになっております」

「そう……僕が公爵様の癪に障るような事してしまったから、怒らせてしまって……すみません」

「いいえ、いいえ、決してそのような事は」

「でも……あんなに怒っ……て」

「……オルタナ様、寝物語代わりに、少しこの老骨の話を聞いて下さいますか?」

 そう言ったオブライアンは眉をハの字に下げて困ったように笑った。

 部屋へと招き入れると「もう遅いので、ベッドへお入りください」と寝台の布団を捲って促す。

「眠れそうにはないのですが……」

「それでも、体が冷えてはいけませんから」

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     今からでも逃げるか……いや、無理だ。 少なくともローブの男と大柄なノエルと呼ばれていた男は間違いなくαだろう。 ミレーと呼ばれていたもう一人は女性だったが、纏う雰囲気がもう凡人のそれではない。 間違いない、全員αだ。 詰んだ。 でも、どこかで逃げなければ、このまま監獄にでも入れられたら、本当に人生が詰む。 ドーン王国では魔女狩りと称して薬師が大量に殺された時代があった。 当時の王が薬師に王妃を殺されたとして、国中の薬師を虐殺したのがキッカケだったとか。 そのせいでドーン王国は他国に比べ薬学が廃れて久しい。 現王レイモンドは積極的に他国からの薬も輸入し、自国の薬師を増やす政

  • 魔女ドーラの孫(仮)   モリガン区 Ⅰ

     ベルの花が鳴く頃、モリガン区の雪も少し解け始める。 雪原から顔を出した青白いベルの花は、リンリンと鳴いて春を告げるのだ。 そんな北の果てに不穏な噂が流れていた。「王都じゃ余計に死人が出たってさ」「ここじゃ当たり前だが、去年は寒かったからねぇ」「何でも王都じゃ病で死んだ者は、教会で死体を燃やすんだと」「罪も犯してないのに病で苦しんだ挙句、体を焼かれるなんて酷い話じゃないか」「王様も教会には強く言えないんだろうさ」「サンノ国から来られた王妃

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